2015年に「学力の経済学」という本を教育経済学者の中室牧子さんが出版されました。
でも、私がこの本を初めて手に取ったのは2019年の夏ごろです。
次男の進学塾の先生からおすすめしてもらって読んだのがきっかけでした。

でも、教育経済学者が書く本って難しくてよくわからない・・・。
なかなか本を読む時間もないし、結局途中で読まなくなりそう・・・。
よくわかります。

興味はあるけど、今知りたい情報だけを、わかりやすく必要なところだけ教えてほしい。
私もそう思います。
わかりました。
こんな声にお応えできるように、いま子育てしているママが普通に知りたいことをわかりやすく、簡潔に、【学力の経済学】をまとめていきたいと思います。
✅ この記事を読むと
・【学力の経済学】に書かれている大まかなあらすじのまとめ
・【学力の経済学】的に、親が知っておいた方がよいことのまとめ
・【学力の経済学】から学ぶ!今日から少しずつ取り入れていきたいこと
がわかります。
目次
【学力の経済学】に書かれている大まかなあらすじのまとめ

【学力の経済学】には、エビデンス(科学的根拠)に基づいて様々な観点から私たち親が納得できるように説明されています。
その中でも、親が一番はじめに考えてほしいことが、
子どもたちが学校に行くのはなぜなのか?
学べるものは何なのか?
ということです。
子どもたちは、何のために毎日学校へ行き、何を学んできているのでしょう?
学力はもちろん、それに加えて【非認知能力】を身につけるためです。
【非認知能力】とは、わかりやすく言うと一般に「生きる力」といわれるもののことを言います。
社会の中で生きていくために必要な数値化できない能力。
大きく言うと、これを子どもたちに身につけてもらうために、毎日学校へ行き、学んでいるのです。
例えば、いくら学力が高くても非認知能力が低くて、人として忍耐力が足りなかったり、チームなどでうまくコミニケーションがとれなかったらどうでしょう?
チームのひとりとして、機能しませんよね。
反対に非認知能力が高いけれど、はじめは知識不足だったり経験不足だったりする人もいます。
でも非認知能力が高ければ、周囲の意見を柔軟に取り入れて学ぶ意欲を持ち続けることができますので、少しずつできることが増えていきます。はじめはチームのひとりとして機能していなくても、徐々に自分で修正していきながらより良い方法を考えだしていくことができるのです。
近年、非認知能力は将来の所得やキャリアの成功にも影響すると多数の研究結果で指摘されているのです。
大まかにいうと、これを身につけることで人生において大きな力になりますし、それが学校へ行く意味なのです。
【学力の経済学】的に、親が知っておいた方がよいことのまとめ

毎日子どもと接していく中で、少し悩むことを書きだしてみます。
1.勉強する時に、ごほうびで釣ってもいいのか?
2.ゲームやSNS、テレビはどれくらいまでなら子どもの成長に害がないのか?
3.子どもの教育は、いつ頃からはじめるのがよいのか?
ひとつずつみていきましょう。
勉強する時に、ごほうびで釣ってもいいのか?
目先の利益(ごほうび)と将来の利益(ごほうび) という話。
勉強したらごほうび(例えば、おこづかいやゲームをしていい、など)をあげると言って、子どもに今すぐ勉強をさせる口実を作る方法。私もよく使います。今すぐ、宿題や勉強をやってほしいですよね。
もうひとつは、良い成績をとったら、テストで〇〇点とったらごほうび(例えば、おこづかいやゲームをしていい、など)をあげると言って、子どもに継続的に勉強をさせる方法。結果がすぐに出ない、見えない分、勉強をしばらく続けないといけないため、目標を見失いやすいです。
【学力の経済学】的には、ごほうびは子どものやる気をださせるためにもとても良い方法としています。ですが、子どもにごほうびをあげる場合は、
✖ 将来の利益(良い成績をとったら、テストで〇〇点とったら)
〇 目先の利益(すぐに結果がでる、いま勉強したらもらえるごほうび)
にした方が、将来的にも学力が伸びるといわれています。
ゲームやSNS、テレビはどれくらいまでなら子どもの成長に害がないのか?
【学力の経済学】では、子どもにゲームやテレビを長時間使用することをやめさせたとしても、勉強時間がそれほど増えるわけではない、と言っています。
ただし、テレビやゲームをする時間が1日2時間以上を超えると、子どもの成長の発達や学習時間のマイナスの影響が飛躍的に大きくなるというエビデンス(科学的根拠)がでているので、注意しなくてはいけませんね。
子どもの教育は、いつ頃からはじめるのがよいのか?
【学力の経済学】では、特に幼児教育の大切さを言っています。
この本を読む人は、お子さんがある程度の年齢に達している親かもしれません。
でも【学力の経済学】では、教育の投資に対して最も成果が上がりやすいのは、子どもが小学校に入学する前の就学前教育だと言っています。
子どもが幼稚園に通い始めた時から、入学前の限られた時間を有意義に使えるように、親はその子にあった習い事を選ぶことが大切です。
【学力の経済学】から学ぶ!今日から少しずつ取り入れていきたいこと

子どもの学力は今日勉強したからといって、明日すぐに結果が出るものばかりではありません。
今の勉強の成果が出るのは、ずっと先かもしれません。
親はながい、ながい目で子どもをみていきましょう。
それでも、子どもには目先のごほうびを与えながら毎日コツコツと勉強を積み上げていくことが最短の近道なのです。
家庭での生活や学校を通して、これからの社会で生き抜くための【非認知能力】を身につけ社会に適応していってほしいものですね。
現在、大学2年・中学3年・小学3年の子育て中です。
子ども3人を育てている母親として、とても気になる本でした。